熊本地震の発生から14日で2カ月。地震で約4800棟が全半壊した熊本県益城町では同日、仮設住宅の入居が始まった。2カ所の仮設住宅88戸が対象で、仮設住宅の入居が始まるのは同県甲佐町に続いて2番目。避難生活を続けてきた被災者たちはようやく住む家が確保でき、安堵(あんど)の表情を見せた。一方、倒壊した家屋の前で花を手向ける遺族の姿もあった。
14日午前、益城町広崎に完成した広崎仮設団地。地震で自宅アパートが傾いた河西マサエさん(80)は2DKの仮設住宅に入り「予想以上に広くて驚いた。トイレも風呂もきれいだ」と笑顔で語り、同居する長男とともに食料などの荷物を部屋に運び込んでいた。町役場近くに住んでいた女性(68)は同日午前、仮設住宅の下見に訪れた。
自宅は全壊し、避難所で暮らしてきた。夫は2匹の犬と近くでテント生活を続ける。女性は「これからは夫に料理が作れるのが楽しみです」と目を輝かせた。
4月14日の前震で犠牲になった同県益城町木山の村上ハナエさん(94)、正孝さん(61)親子の自宅では正孝さんの義兄の三浦治美さん(73)=同町宮園=が献花した。「優しい義母と義弟だった。一度に亡くなってしまい、まだ悲しみの中にいる」と話した。
益城町では今後、ほかの仮設団地でも入居が始まる。また熊本県嘉島町でも14日午後から仮設住宅の入居手続きが始まる。
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