オタク向けのタトゥー『ヲタトゥー』を入れる人が増加。普通の会社員やおとなしそうな人たちが…
昨年9月に大阪の彫師が医師法違反の罪で略式命令を受け罰金を支払った。
現在、この彫師は略式命令を不服として正式な裁判を求めており、彼の裁判支援や彫師の法的な位置づけを確立するための署名活動などが行われている。
最近では和彫りを求めて来日する外国人客が増えたり、ファッションの多様化に伴い刺青やタトゥーを目にする機会も増えたが、一方で刺青そのものが一般化するハードルが高いのも事実。
というのも、一般人にとっては刺青そのものよりも、実はそれを背負う者から発せられる「オラオラした雰囲気」こそが恐怖の対象になることがあるからだ。
この点で、刺青を背負いつつも周囲への威圧感ゼロの新人種が現れている。
それは、「ヲタトゥー」と呼ばれるアニメ絵のタトゥーを入れる人々である。横浜の彫師AKI-BONTEN氏はこの新機軸での彫師業に邁進している。
オタク向けのタトゥー「ヲタトゥー」を入れるのは「おとなしいお客さん」ばかり
「’10年に『魔法少女リリカルなのは』のフェイト(主人公キャラの1人)を背中に彫ってくれと頼まれたのが発端でした。
その人が2ちゃんねるにスレを立てて写真を公開したら非常に注目されて……当時は『痛(いた)トゥー』と呼ばれていましたけど、
最近は『ヲタトゥー』として浸透するようになり、同様の注文がたくさん来るようになりました。
とくにここ1~2年で国内だけでなく海外からもいわゆるオタク系のお客さんが急増しています」
AKI氏の作品群の特長は、彫師自身がアニメに入れ込んで、造詣が深いことから生まれる細部への愛情だ。
写真のハルヒのヲタトゥーにデザインされているトライバル風の枠線には「SOS団」(「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」の略称)と彫り込まれている。
「伝統的な和彫り中心だった頃はヤカラ系のピリピリしたお客さんばかりでしたが、今は普通のサラリーマンや、刺青なんて無関係そうなおとなしいお客さんばかり。
すごく仕事がやりやすいですよ。こういう人たちも入れていることを知れば、社会の刺青を見る目が変わるんでしょうけど、そういう人は絶対に他人には見せないでしょうね」
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