人間ピラミッド、一転禁止 すでに練習、混乱する学校も
朝日新聞デジタル 5月21日(土)17時50分配信
運動会の組み体操での人間ピラミッドとタワーは全面禁止する、と福岡市教育委員会が4月末、それまでの方針を一転させる通知を出した。すでにプログラムが固まっていた学校は見直しを迫られている。この週末に運動会を開く市立学校も多い。何があったのか。
きっかけの一つとなったのは、4月下旬に出た市教委の調査結果だった。
各学校に尋ねたところ、小学校の6割以上、中学校の7割以上が、今年も人間ピラミッドを予定していると回答。8中学校が7段以上のピラミッド、小学校でも7段ピラミッドや5段タワーをやろうとしている学校が複数あった。
研修・研究課の松崎治一課長は「学校ごとに安全対策にばらつきが大きく、不十分さが否めなかった。どうぞやって下さい、と言える状態ではなかった」と話す。「伝統だから切れない、と悩む先生方もいた」という。
調査結果が出た4月26日、教育長ら幹部約20人が緊急に集まった。「達成感や団結力を得る有効な手段。一律に禁止すべきではない」「子どもの安全が第一だ。実施校が多ければ事故の可能性も高まる」……。
3~4時間に及ぶ議論の末、「全面禁止」が決まった。倒立や肩車などの他の技はOKとしたが、「タワーやピラミッドを連想させるから」と「組み体操」という言葉を使わず「集団演技」とすることも決めたという。
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