どろだんごに魅せられて 海外でも熱中する人
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160521/k10010529441000.html
土を丸めて固めたどろだんごを丁寧に磨き、大理石や宝石のようなつやを持つ、光るどろだんごに仕上げていくことに熱中する人が日本だけでなく、海外でも出てきています。
アメリカ西部、ニューメキシコ州に住むブルース・ガードナーさん(51)は15年ほど前に偶然手にした雑誌で、日本でどろだんごを光り輝くまでに磨き上げることが話題になっていることを知り、どろだんごづくりを始めました。ガードナーさんがこれまでに制作したどろだんごは数百個に上り、ギャラリーで個展を開くまでになりました。
ガードナーさんは日本のどろだんごづくりを参考にしていますが、乾燥後のひび割れを防ぐために小さなヘラでたたいて、中に残った僅かな空気を抜いたり、形を整えるためにボウルの中でどろだんごを転がしたりするなど、理想の美しいどろだんごを目指しさまざまな独自の工夫もこらしています。
ガードナーさんが特にこだわっているのが、どろだんごの材料となる土探しで、土によって色やつや、質感など全く違ったどろだんごができることがおもしろさでもあり難しさでもあるといいます。
インターネットでどろだんごづくりの紹介もしているガードナーさんのもとには連日のように、世界各地から作り方などの問い合わせが寄せられています。中には派遣先のアフガニスタンからインターネットを通じて問い合わせを行い、ガードナーさんの手ほどきを受けながらどろだんごを作っていたというアメリカ海兵隊の元兵士もいました。
元兵士の男性は「どろだんごづくりに没頭している間だけは戦闘の不安やストレスを忘れて心を落ち着かせることができた」と話していました。
日本のどろだんごづくりは海を渡って広がり、その奥深さは芸術の域を超えて、人々の心を捉えているようです。
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