元千代田区議長を書類送検 政活費申請に領収書偽造容疑
東京都千代田区議会の政務活動費を受け取るのに必要な領収書などを偽造したとして、警視庁が有印私文書偽造・同行使などの疑いで、
同区神田岩本町、石渡伸幸(いしわたりしんこう)・元区議会議長(73)を書類送検したことが同庁などへの取材で分かった。送検は十六日付。
送検容疑では、二〇一一年五~十月、同僚議員が経営する千代田区の古書店からもらった白紙の領収書六枚に、
購入していない雑誌名八冊と金額計約七万三千円を書き込んだ上、所属する自民党会派の会計責任者に提出し、
政活費の収支報告書に虚偽の金額を記入させたとされる。
昨年まで区議だった石渡氏は本紙の取材に「同僚議員から領収書をもらって、自分で事実と違うことを記入した」などと容疑を認めている。
市民団体が昨年十一月、警視庁に刑事告発していた。
政活費は議員の調査・研究活動に使われ、千代田区議会では区議一人当たりの毎月の上限が十五万円。同区議会の政活費を巡っては、飲食費など不適切な支出があったとして、同じ市民団体が返還請求訴訟を起こし、東京地裁が今年三月、石渡氏ら元職、現職の計十一人に対し、区長に計約三百九十四万円の返還を求めるよう命じる判決を言い渡した。十一人は全額を返還した。
市民団体の山口修一代表は「政活費の使い道が市民に不透明ではいけない。議会が自浄作用を発揮して、仕組みを変えてほしい」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016052002000121.html