フィリピンのアキノ大統領の後任を決める大統領選が9日、投開票された。開票率80%の段階で南部ダバオ市のロドリゴ・ドゥテルテ市長(71)が当選を確実にした。任期は6年で、6月30日に就任予定。
選管から集計委託を受けた選挙監視団体の発表によると、得票率はドゥテルテ氏が39%、アキノ大統領の後継候補マヌエル・ロハス前内務・自治相(58)が23%、グレース・ポー上院議員(47)が22%、ジェジョマル・ビナイ副大統領(73)が13%。ポー氏は会見で敗北を認めた。
ドゥテルテ氏は「犯罪者は殺す」など過激な発言で知られ、「フィリピンのドナルド・トランプ」と評される。長年のダバオ市長としての治安対策に実績があり、選挙戦では半年以内の犯罪撲滅、警察官や軍人の給与引き上げを約束。地元の南部ミンダナオ島のほか、治安に不安を持つ中高所得層やマニラ首都圏での人気が高い。
ポー氏は過去の大統領選に出馬した国民的人気俳優(故人)の養女。 政治経験の少なさを逆手に取って「清新さ」をアピール。父親の支持者のほか、与党支持層からも一定の支持を得る。ロハス氏は与党自由党の組織票を持つ。
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