世界遺産に登録されているカンボジアの巨大な寺院アンコール・ワットで９日、カンボジアと日本が共同で実施する参道の修復工事の起工式が行われました。
カンボジア北西部のシエムリアプにある寺院、アンコール・ワットは、１２世紀前半に建てられたクメール建築の最高傑作とされていますが、
長い間、森の中で放置されていたため風化による損傷が目立ちます。
このため、日本が協力して寺院の正面にある参道の半分の１００メートルを修復することになり、９日に起工式が行われました。
式典には地元の人をはじめ、遺跡の保存の支援に関わってきた日本の関係者などおよそ１０００人が参加し、
カンボジアのソック・アン副首相が「遺跡の保存と修復で、３０年以上にわたる日本の協力に感謝しています」とあいさつしました。
そして、日本のＯＤＡ＝政府開発援助で供与された重機６台が紹介され、重機の始動を合図するボタンを押して修復工事の開始を祝いました。
工事は日本円でおよそ７億円かけて行われ、２０２０年の完成を予定しているということです。
２５年以上、カンボジアの人たちに修復技術を指導してきたアジア人材養成研究センターの石澤良昭所長は
「カンボジアの人が育ってきたので、自前でできる部分がたくさんあります。われわれは十分なサポートをしていきます」と話していました
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160509/k10010513931000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002