羽田空港滑走路の耐震強化のための地盤改良工事で、東証1部上場の東亜建設工業(東京)は6日、データを改ざんし、仕様書通り施工できたかのように国土交通省に虚偽報告していたと発表した。工事は想定される最大級の地震が起きた場合、同空港C滑走路の液状化を防ぐためだった。
横浜市内で記者会見した同社の松尾正臣社長は「空港利用者や関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をお掛けし、心より深くおわび申し上げる」と謝罪した。
国土交通省関東地方整備局は、C滑走路について、「通常の利用は構造上、問題がないことを確認したが、安全性について監視していく」とした。
地盤改良工事は同整備局が発注。昨年5月~今年3月まで東亜を代表とする共同企業体(JV)が実施。東亜は担当した液状化防止のために薬液を注入する工事で、本来注入すべき量の5.4%しか注入していなかった。
社内調査に対し、工事を担当した同社幹部は「自社が開発した新しい工法で失敗は許されない。(失敗すれば)次の工事が取れないというプレッシャーがあった」などと虚偽報告した経緯を説明しているという。
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