先月急死した米歌手プリンス(Prince)さんが、戦火で荒廃したアフガニスタンの孤児を支援する活動に密かに寄付を行っていたことが、このほどわかった。AFPの取材に対し、慈善団体が5日、明らかにした。
弱い立場の女性や子どもを支援するNGO「PARSA」によると、57歳で死去したプリンスさんは生前、同団体に多額の寄付をしていたという。
同団体のマーニー・グスタフソンさんは、プリンスさんからの寄付について、米シアトルの慈善家ベティー・ティスデイルさんを通じて行われていたと述べた。寄付金は、孤児を含む約2000人の子どもを支援する100人のスカウト指導者を養成する資金に充てられたという。
グスタフソンさんによると、プリンスさんがアフガニスタンに関心を持ち始めたのは、2010年のティスデイルさんのアフガン訪問後だとされる。
昨年死去したティスデイルさんは、1975年のベトナム戦争末期に孤児200人の国外脱出計画を主導したことで最もよく知られている。
グスタフソンさんは、「ティスデイルさんから強化すべきプロジェクトは何かと尋ねられ、古い建物をスカウト指導者のトレーニングセンターにしたいと話したところ、帰国したティスデイルさんから、1万5000ドル(約160万円)の小切手が届いた。活動に共感したプリンスさんからだと教えられた」と述べた。その時、「誰にも言わないように」とくぎを刺されたという。
プリンスさんはその後も毎年6000ドル(約64万円)の寄付を続けた。本人は公にしないよう求めたが、彼の突然の死を受け、感謝の意を表すために支援について公表することを決めたのだという。
寄付についてグスタフソンさんは、「心からの寄付だったので、秘密だったのです。彼は見返りなどまったく求めませんでした」とコメントしている。
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