「自民閣僚の金銭感覚はゼロが2つ違う」片山さつき氏と安井美沙子氏が“政治とカネ”に切り込む
2016.04.26 産経Zakzak
★女性議員対談「政治とカネ」(上)
熊本地震の対応で、永田町は多忙を極めているが、「政治とカネ」の問題は決して忘れてはならない。特に、甘利明前経済再生担当相(66)をめぐる金銭授受疑惑と、民進党の山尾志桜里政調会長(41)の政治資金疑惑は深刻かつ重要だ。政治への信頼を取り戻すため、自民党の片山さつき参院議員と、民進党の安井美沙子参院議員が2回にわたり、2つの疑惑に切り込んだ。
--甘利氏の疑惑は、東京地検特捜部が今月、あっせん利得処罰法違反容疑で関係先を強制捜査する事態となった
片山氏「衆院当選11回、政治家の大先輩です。自民党政調会長や経産相、労相などを歴任され、十分な実績もある。なぜ、あんなことになってしまったのか…。信じられない気持ちでいっぱいです」
安井氏「実は私、甘利疑惑を報じた週刊誌の発売日に、真っ先に参院決算委員会で質問しました。小渕優子元経産相の政治資金問題でも最初に質問に立ちましたが、自民党の閣僚の金銭感覚は、われわれとゼロが2つ違う感じがしました」
片山氏「政治家を長く務めると、そういうこともあるかもしれません」
安井氏「金銭感覚がズレているのでは? 私が『50万円を大臣室で受け取ったのか』と質問したとき、甘利氏は記憶が曖昧でした。普通、50万円を直接もらったら忘れません。私なら絶対に覚えています(笑)。その程度のお金を受け取るのは珍しくないので、いちいち覚えていないのでしょうか」
片山氏「私も、本当に現金を受け取っていたとは思わなかったので、ショックを受けました。(特捜部が)捜査中なので詳しい事情を知ることができませんが、『建設会社が秘書や都市再生機構(UR)職員を接待していた』という報道がありましたね。秘書さんに任せていたのでしょうけど、そういう業者と付き合っていたのは秘書のミスです」
安井氏「甘利氏も責任を果たしていません。大臣辞任の記者会見で『調査する』と言ったのです。ところが、国交省もURも、甘利氏の代理人からいまだにヒアリングすら受けていないと答弁しています」
片山氏「司直の手が入っているので、独自の調査は難しいのでしょうか」
安井氏「記者会見で『逃げも隠れもしない』と国民に約束したのに、隠れっぱなしです。甘利氏には政治家としてしっかりと説明責任を果たしていただきたい」
--甘利氏は睡眠障害で自宅療養している
片山氏「早く健康を回復されて、捜査が一段落した後で真実を明らかにしてほしい。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の合意など、素晴らしい実績がある。もったいないです」 (取材・構成、ジャーナリスト・安積明子)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160426/plt1604261550002-n1.htm