レンタルサーバー業者で、従業員のミスによりサーバー上の全データが削除されるというあり得ない事態が生じたことが14日、英大手紙「Independent」の報道で明らかとなった。
このレンタルサーバー業者では、削除してしまったデータを復元するために、大手QAサイトのserverfaultに「Recovering from a rm -rf /(rm -rf /から復元する方法を教えてください)」とする書き込みをすることで、問題の解決方法を模索しているが「バックアップがない限り、復元は難しい」といった回答も寄せられている。
QAサイトのserverfaultでは、日ごろ、初心者からの質問から、かなりの高度な質問まで、様々な質問が寄せられるとただちに、最適な回答が付く状態が続いているが、さすがのserverfaultの熟練回答者であっても会社の全データを「rm -rf /」で削除した後にどのような有効な復元策を講じることができるのかは、回答に詰まる状況となっている。
このミスをしてしまったレンタルサーバー業者の管理人となるMarco Marsalaによると、プログラム中で、「rm -rf {foo}/{bar} 」と指定することで全サーバーを対象に、特定のディレクトリーのファイルだけを削除するスクリプトを動かしたところ、このプログラムのバグにより、特定のディレクトリーだけでなく、全てのディレクトリーが強制削除の対象になってしまったと説明している。
また、バックアップを事前に取っていなかったのかという質問については、もちろんバックアップは取得していたが、この全削除のプログラムによりバックアップファイルも削除の対象となってしまったと述べている。
このレンタルサーバー業者は、1535のカスタマーを抱えているが、この事故の発生により、これら全てのカスタマーのファイルが無くなってしまった。
高級紙となるIndependentでは、「Marco Marsalaのミスは、単に『rm -rf /」を実施してしまったという単純なミスとして片づけられるものではなく、それ以前の問題として多数のミスを内在していたことにある』というserverfaultで寄せられた回答の一つを紹介することで、問題の本質はより深いところにあると同時に、こうした問題は、社会経済の様々な領域で実際に起きているということを暗に示唆している。
ソース
レンタルサーバー業者、「rm -rf /」で誤って全サーバーのデータを削除 - BusinessNewsline
http://business.newsln.jp/news/201604151116100000.html