田母神氏「昨年2月時点で違法と認識」 現金配布めぐり
元航空幕僚長・田母神俊雄氏(67)の資金管理団体で多額の政治資金が使途不明になっている問題で、2年前の東京都知事選後に田母神氏陣営から支援者らに配られた現金について、「昨年2月時点で違法だと認識した」と田母神氏が11日までに、朝日新聞の取材に答えた。「選挙違反をしていると言われるから公表しなかった。配布した当時は違法とは知らなかった」と説明している。
この現金配布は公職選挙法違反(買収)の疑いがあり、東京地検特 捜部は田母神氏の関与などについて任意で事情聴取を続けている。
田母神氏は2014年2月の都知事選に立候補し、落選した。田母神氏によると、都知事選後、選挙対策本部事務局長から、陣営幹部や支援者に計2千万円を配布すると相談され、対象者のリストを見せられた。 その約1年後、政治資金に多額の使途不明金があることが判明。一部が現金配布に使われたことを知った陣営の地方議員から、選挙運動員にお金を配ることについて「買収にあたり、だめです」と指摘され、田母神氏は初めて公選法違反にあたると認識したという。
だが、その直後の15年2月に田母神氏が開いた使途不明金についての記者会見では、会計責任者が政治資金約3千万円を私的に流用したと公表。都知事選の人件費などについては問題はないと説明し、現金配布については言及していなかった。
http://www.asahi.com/sp/articles/ASJ4C56PXJ4CUTIL031.html