放送ジャーナリストの草分けで、長寿番組「秋山ちえ子の談話室」(TBSラジオほか全国で放送)を40年以上続けてきた評論家の秋山ちえ子(あきやま・ちえこ、本名・ 橘川ちゑ=きっかわ・ちえ)さんが6日、東京都内の自宅で肺炎のため死去した。99歳。葬儀は近親者で営んだ。
東京女子高等師範学校(現お茶の 水女子大)卒業後、国立東京聾唖(ろうあ)学校教諭を務め、結婚後 中国へ。1948年、NHKラジオで「婦人の時間」などのリポーターを担当。市民の視点からの生活実感のある評論が評価され、54年にはラジオによるルポルタージュという新分野を開拓したとして第2回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し た。
「秋山ちえ子の談話室」(当初は 「昼の話題」)は57年9月にス タート。毎週月~金曜日の10分弱 のミニ番組ながら、日々の話題を分 かりやすく説明し、時には鋭い批判も加えながら評論した。67年からは終戦記念日の8月15日に、東京・上野動物園で戦時中に餓死させられた象の物語「かわいそうなぞう」(土家由岐雄作・金の星社)の朗読を毎年続け、戦争の悲惨さを訴え続けてきた。
http://mainichi.jp/articles/20160412/k00/00e/040/220000c