三菱東京UFJ銀、マイナス金利対応 他行預金に手数料検討
2016.4.4 06:50 産経ビジネス
1日就任した三菱東京UFJ銀行の小山田隆頭取は、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、日銀の「マイナス金利政策」で市場金利が大幅に低下している中、「金融機関から預かるお金については新しい手数料のあり方を検討したい」と口座手数料導入の可能性を示唆した。手数料の水準によっては事実上のマイナス金利もあり得そうだ。
マイナス金利政策は、民間銀行が日銀にお金を預けた場合、その一部に0.1%の金利を支払わなければならない仕組み。
三菱UFJ銀の預金残高は、昨年末で前年末比5%増の128兆円。市場金利が大幅に低下する中、運用しきれない預金を抱え込めば、預金者に支払う利息の負担が経営を圧迫してしまう。小山田頭取は「企業や家計から手数料を取る具体案を持っているわけではない」とあくまで慎重だ。
ただ多くの金融機関は決済や取引の利便性のため互いに預金し合っており、三菱UFJ銀も他の銀行から少額を預かっている。「全体の採算が厳しくなる中、同業の場合は(手数料を)お願いすることもあり得る」との考えを示した。特に外国銀行に預けている三菱UFJ銀のお金には既に手数料が課されているため、同行も外銀からの預金を中心に手数料を検討するとみられる。
一方、米国事業では、傘下のユニオンバンクを含む総預金量が全米13位。小山田頭取は「トップ10を目指すのであれば、一段の(銀行)買収を考えたい」と力説。アジアでも「人口が多く、経済成長の見込めるインドネシアを中心に、機会があれば(買収に)挑戦したい」と語った。
また、全国の支店については事務部門を集約することで店舗を小規模化し「ITを活用したコンサルティング業務の拠点」とする考えを示した。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/160404/bse1604040650003-n1.htm