吉野家の豚丼は牛丼の販売休止期間の代替商品として、2004年3月から2011年12月まで販売されて
いたもの。「販売休止後も再登場を望む声が多かった」(吉野家の河村泰貴社長)という。今回、価格も
当時(2005年10月以降)と同じ並盛り330円で提供する。
なぜ今、豚丼を復活させるのか?その背景には2014年12月に実施した牛丼の値上げがあるようだ。「豚丼
は値上げ後に下がった客数が回復しなかった場合の策として検討していたものの一つだった」(河村社長)
2015年度の既存店の実績を見てみると、「牛すき鍋膳」といった高単価メニューの人気などで客単価と
売り上げこそ前年比100%を超えているものの、客数は88.5%と前年割れの状況。その対策として打ち
出されたのが豚丼というわけだ。「牛丼とは異なるニーズに応えられる商品。年間2000万食以上は売り
たい」(河村社長)という。
実際に復活した豚丼を食べてみると、以前のものと味も量も変わらない印象。「以前のレシピを充実に
再現した」(河村社長)という。一方、以前と違うのは、キムチ、ねぎ玉(ネギ+生卵)、半熟玉子、
チーズと、トッピングの種類が多いこと。もともとリピート率の高い商品だが、味のバリエーションでさらに
リピートを誘う作戦のようだ。
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