諏訪大社御柱祭で上社の境内に運ばれる御柱用材8本が25日、初めて高速道路を走った。
伐採地の長野県上伊那郡辰野町から上社山出しの出発地となる茅野市・諏訪郡原村境の
綱置場(つなおきば)までの道のりは60キロ余り。最長で18メートル余もある巨木をどう安全に
運ぶか―。上社側の御柱祭の運営を担う大総代らは、ルート決めや高速道利用の手続きなど、
異例ずくめの搬出計画を迫られた。
辰野町での伐採が固まった3年ほど前から搬出準備を開始。しきたりでは、本番で御柱を引く
曳行(えいこう)路を搬出の際に横切ってはならないといい、まずはルートの検討が課題となった。
複数の案を議論し、気象条件に左右されにくいことなどを踏まえて初の高速道利用を決めた。
巨木を運ぶトレーラーは全長が20メートル以上に及ぶ。搬送に当たる業者を通じ、許可申請
などの手続きも必要になったという。実行委の浜明行委員長(72)=茅野市=は「全てが
初めての経験だった」と振り返る。
高速道上の御柱を一目見ようと、沿道には住民らが早朝から訪れた。諏訪市湖南の中央道に
架かる橋の上では、地元の小学生らがトレーラーを見つけ「来た、でっかーい」と歓声。下り線の
諏訪湖サービスエリアから走行中の御柱を写真に収めた諏訪郡下諏訪町の会社員岩波克昌
さん(59)は「御柱が高速を走る姿が見たかった。あっという間だったが、やはり大きかった」と
感心していた。
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