大阪を代表する桜の名所・桜之宮公園(大阪市都島区)などでソメイヨシノの枝を折ったとして近所の無職男(33)が2月、大阪府警に逮捕された。
1月以降、男が折ったとされるソメイヨシノの枝は対岸の公園分を含めて62本。
府警によると、男は仕事を辞めて自宅に長年引きこもり、インターネット上で政治問題の書き込みを続けていたところ、
他のネットユーザーから「死んでしまえ」などと中傷を受け、ストレスを発散させるため犯行に及んだという。
(中略)
原発、税金…持論を発信
「日頃のストレスを発散させるためにやった」
犯行に至った動機について、男は最初にこう供述した。何が原因で精神的に追い詰められたのか。犯行に至るまでの経緯を訥々と語り始めた。
「自分自身の将来性が見いだせない」と26歳で光ファイバーの接続工事会社を辞めて以降、定職に就いていなかった。
33歳になるまで自宅に引きこもってネットサーフィンをする日々を送っていた。そんな生活の中、ネット記事を閲覧するうちに政治に関心を持つように。
原発や税金などの問題について、ネットへの書き込みを通じて持論を発信するようになった。
犯罪心理に詳しい新潟青陵大の碓井真史教授(社会心理学)は当時の男の心理状態について
「社会にうまく適応できない自分のストレスをインターネットで書き込みをすることで発散していたのでは」と分析する。
しかし、政治的な意見は人によってさまざまだ。男の意見に反発する他のネットユーザーからは「もう書き込むな」「死んでしまえ」といった中傷のコメントが多数寄せられた。
次第に精神的に追い詰められた男は、1年ほど前にネットへの書き込みを止めた。
それでも、風船のように大きく膨らみ続けるストレス。とうとう行き場を失い、桜の枝を折ることに「はけ口」を求めた。
「昼間は誰かに見られている」と話すほど?病んだ精神状態?から、夜間しか出歩くことができなかったという男。
今年1月下旬以降、ストレスがたまると夜の公園を歩き、犯行を重ねた。
(中略)
結局、大阪区検は目撃証言があったソメイヨシノの枝3本分についてのみ器物損壊罪で略式起訴し、大阪簡裁は3月8日、罰金20万円の略式命令を出した。
今後、公園を管理する市は枝3本(被害額約6千円)分について、男に被害弁償を求める可能性もある。
http://www.sankei.com/west/news/160324/wst1603240003-n1.html