学校での放射線量が新潟の6千倍以上…福島の汚染地域はいまだ“住んでいい”レベルではない!
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法律では、4万Bq/㎡以上に汚染された場所は「放射線管理区域」に指定され、区域内に一般人は入れないようにしている。
18歳以下の就労も禁止だ。理由は、それだけの放射線を浴び続ければ人体に悪影響があるから。
しかし、福島の土壌を検査すると、多くの場所でこの基準をいとも簡単に上回ってしまうことがわかっている。
2017年3月から避難指示区域解除を予定する飯舘村で、除染を終えた農地を昨年12月に測定した。
それによると、トウモロコシ畑の深さ5㎝までで1㎏当たり7900Bqが検出された。1平方メートルに単純換算すると約51万Bqに達する。
しかも空間線量は除染済みなのに毎時1.5μSvあった。
農地では、放射能レベルを下げるために汚染されていない土を混ぜることがある。この対策を済ませた土を測ると、深さ5㎝までは413Bq/㎏(約2万6千Bq/㎡)に下がっていたが、
5㎝から10㎝までの土は1200Bq/㎏(7万8千Bq/㎡)と高い汚染があることがわかった。これでは村に戻っても、農作物など作れない。
南相馬・特定避難勧奨地点の会の小澤洋一氏も県内各地の土の調査をしているが、県内の放射能レベルは極めて高いという。
「一例を挙げると、南相馬市から葛尾(かつらお)村に抜ける県道沿いにある鉄山ダム近辺の土からは、9610万Bq/㎡が検出されました。
学校やその周辺の汚染も深刻です。南相馬市の高倉にある通学路の土からは400万Bq/㎡のセシウムが検出され、飯舘村の学校からは1千万Bq/㎡を超えるような土も見つかっているのです」
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これだけ汚染されていれば、人はこの先10年は戻れないだろう。なのに国は住民からの要望という理由を使い、大金をつぎ込んで除染を始めている。
地元では、そんなことをするぐらいなら、故郷を失った人たちへの賠償をもっと手厚くしたほうがいいとの意見も目立つ。
2月下旬、4月からの避難指示区域解除が予定されていた南相馬市小高区で住民への説明会が開かれた。
住民からは「除染が終わっておらず、まだ放射線量が高い所もあるから解除は早い」とする声が相次いだ。ところが国の担当者は、住民を突き放すようにこんな趣旨で答えた。
「空間線量が年間20mSvを下回り、なおかつ生活環境の整備と自治体の同意が得られれば、避難指示は解除できるのです。除染が終わらないと、解除ができないということではありません」
こうした話を聞いた参加者の中には、話にならないと怒りだす人もいた。国が住民をどう考えているかを象徴するシーンだった。
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/03/21/62672/