トルコの首都アンカラで大規模なテロが続いている。昨年10月以来、3度の大規模なテロが起こり、3月13日には少なくとも37人が死亡。125人が負傷した。実行犯の1人は1992年生まれの女性で、クルド人の反政府武装組織「PKK(クルド労働者党)」のメンバーであることが判明している。
しかし、日本に限らず欧米メディアでは大きな話題となっていない。facebookのプロフィール写真をトルコ国旗にする機能も作ってもらえない。
そうした中、アンカラに住む男性・ジェームズ・テイラー氏がfacebookに投稿したものが話題を呼んでいる。
「私はシャルリ」、「私はパリ」はいた、けど、「私はアンカラ」はいない。「毎日歩いていた道路が跡形もなく爆破されることを想像できますか?」というものだ。
また、イギリスやパリに比べて話題にならないことにこう嘆く。
「ロンドンやニューヨーク、パリで起きるテロ事件を知って、犠牲者を悼み、悲しみを感じるのは簡単だ。ではなぜアンカラはそうではなかったのか?トルコはシリアやイラク、内戦状態にある国々のように大半がムスリムの国だと思うから?アンカラの攻撃が自分に関係ないし、パリやロンドンの攻撃の時のような痛みを感じられないのなら、立ち止まってなぜそうなのか考えて欲しい」
For those who do not know Turkey, or who distance themselves from these attacks, maybe this will open your eyes.The…
Posted by James Taylor on
パリ同時多発テロの時には、多くの人がトリコロール(フランス国旗)を掲げる一方、「パリだけを追悼すればいいのか?」という意見も散見された。
しかし、今回のアンカラテロは話題にもなっていない。Twitterで見る限り、以前「パリだけを追悼すればいいのか?」と発言していた人もアンカラを(Twitterでは)追悼していない。
プロフィールを変えるなど表向きの行動を起こすか否かはどちらでもいいと思うが、もしテロ事件に悲しみを感じるのであれば、テイラー氏が言うように、イギリスやパリだけではなく、アンカラでも犠牲者を悼んで欲しい。もちろん、「祈る」だけでは変わらない。しかし、無関心でいればもっと変わらないだろう。実際、関心が高まったシリアでは和平合意に向けて一歩ずつ進んでいる(関連記事:ロシアはなぜシリアから撤退したのか?)。
エルドアン大統領は、「国民は心配すべきでない。テロとの戦いは必ず勝利に終わり、テロリズムは打ち負かされる」と語った。既にトルコではメディアへの規制が強まり、反政権寄りのメディアは管理下に置かれているが、今後さらに規制は強まるだろう(トルコ、大手通信社まで政府管理下にー国内最大紙に続き)。
http://theplatnews.com/p=1949