高知など四国南部が核ごみ最終処分「有望地」か 年内にも政府提示
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原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場候補地の選定をめぐり、政府は2016年中にも適性のある地域「科学的有望地」を提示する。2015年12月に経済産業省の有識者ワーキンググループ(WG)がまとめた「自然科学的観点」の要件を見ると、火山や活断層が少ない高知県を含む四国南部の沿岸部のほとんどが有望地に含まれる可能性がある。国の押し付けを懸念する自治体の警戒感が根強い中、提示の仕方やその後の
選定作業が注目される。
政府が計画する「地層処分」は、放射性廃棄物をガラスと混ぜて固め、厚い金属製容器や粘土の緩衝材で覆い、地下300メートルより深い地層に埋める。放射線量が安全なレベルになるには、数万年かかるとされる。
原子力や地質学者らで組織するWGは、地質環境の長期安定性、施設建設や廃棄物輸送時の
安全性などを検討。最適地を絞り込むのではなく、問題のある範囲を除外する形で要件を整理した。
有望地に適さない基準は、火山から半径15キロ以内▽活断層沿いは断層の長さの100分の1
程度の幅に入る範囲▽10万年間で隆起速度90メートル以上▽地中の温度が高い―など。
これらに該当しなければ「適地」として扱い、海上輸送に有利な海岸から20キロ以内を
「より適性の高い地域」に分類する。
経産省などが2015年全国で開いたシンポジウムで説明した火山や活断層の位置=地図参照=のほか、日本地質学会がまとめた資料などでも、四国南部は火山や活断層がほとんどない。
さらに日本地質学会の資料では、四国南部は地温も低く、室戸半島の一部を除いて基準を下回る隆起速度のため、沿岸部のほとんどが適地に含まれる可能性がある。