安倍晋三首相は11日の参院本会議で、塩崎恭久厚生労働相が受け取った保育の充実を求める署名を読んだとした上で「働くお母さんたちの気持ちを受け止め、待機児童ゼロを必ず実現させる決意だ」と述べた。ただ「保育所」と答弁すべきところを「保健所」と誤読。首相は「保育所」と言い直したものの、議場が騒然となった。
首相は「子どもが生まれたのに保育所に預けられない、仕事を続けられないとの大変切実な思いが伝わった」と説明。「待機児童の数は地域によって差がある。特に集中している地域と連携し、対応策を検討する」とも語った。共産党の吉良佳子氏への答弁。
これに関し、菅義偉官房長官は記者会見で「保育園を整備するには保育士の確保が重要だ。(5月にまとめる)1億総活躍プランで、具体的で実効性のある待遇改善策を示す」として、保育士の待遇改善に取り組む考えを示した。
首相の誤読について、民主党の加藤敏幸参院国対委員長は会見で「同じ政治家として間違ってほしくない。感じが悪い」と不快感を示した。
待機児童問題をめぐっては、子どもが保育園に入れず不満をぶつけるブログが反響を呼び、子育て中の女性らが9日、約2万8千人分の署名を塩崎氏に手渡した。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/03/11/kiji/K20160311012195280.html