元航空幕僚長でおととしの東京都知事選挙や衆議院選挙に立候補して落選した田母神俊雄氏の資金管理団体で多額の政治資金が使途不明になっている問題で、東京地検特捜部は業務上横領の疑いで団体の事務所と田母神氏の自宅などを捜索し、強制捜査に乗り出しました。
捜索を受けているのは、東京・千代田区にある資金管理団体「田母神としおの会」の事務所や田母神氏の自宅などの関係先です。
政治資金収支報告書によりますと、田母神氏の資金管理団体は、おととし2月の東京都知事選挙の前に設立され、全国の支援者などから1年間に集めた1億3265万円のうち、5000万円余りの支出について、使途不明金として記載していました。
この問題で田母神氏は去年2月に記者会見を開き、「元会計責任者が飲食店で私的に使い、弁済を求めている」などと説明していました。
その後、去年12月になって、陣営の元幹部らが「田母神氏本人や事務局長も関わっていた」などとして告発状を提出し、東京地検特捜部が捜査を進めていました。
特捜部は政治資金を不正流用していた業務上横領の疑いで強制捜査に乗り出し、不透明な資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。
東京都知事選と衆院選に立候補
田母神俊雄氏は防衛大学校を卒業して航空自衛隊に入隊し、航空総隊の司令官などを経て、平成19年、航空自衛隊トップの航空幕僚長に就任しました。
しかし、翌年の平成20年、先の大戦を巡り「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」などと政府の見解と異なる内容の論文を発表し、更迭されました。
防衛省を定年退職したあと、おととし2月の東京都知事選挙に無所属で立候補しました。航空自衛隊トップとして危機管理に関わった実績をアピールして防災対策の強化などを訴え61万票余りを集めましたが落選しました。また、おととし12月の衆議院選挙では東京12区から当時の次世代の党の新人として立候補しましたが落選していました。
ソース
田母神氏の資金管理団体事務所 業務上横領容疑で捜索 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160307/k10010434461000.html