規制委員会の有識者調査団が新たな報告書案まとめる
北陸電力志賀(しか)原発(石川県)の敷地内断層を調べている原子力規制委員会の有識者調査団は3日、
1号機の原子炉直下を通る断層について「活動したと解釈するのが合理的」とする新たな報告書案をまとめた。
昨年7月にまとめた最初の報告書案では、「活動性を否定できない」としていた。
新規制基準は、活断層の真上に原子炉など重要施設を造ることを認めていない。北陸電が結論を覆せなければ、1号機が廃炉になる可能性が一層強まった。
さらに報告書案は、規制委が安全審査中の2号機の重要施設直下にある2本の断層について、「活動した可能性がある」と、より強い表現で活断層の可能性を指摘した。
2号機は施設の移設などの大規模工事をしなければ審査に合格できない公算が大きくなり、再稼働は大幅に遅れる見通しだ。
調査団は今後、正式な報告書を作成して規制委に提出する。
北陸電が再稼働を目指す場合、規制委が安全審査で改めて活断層に該当するかどうかを判断する。
審査で活断層と判断されれば評価が確定し、1号機は廃炉になる見込み。
北陸電は1号機も審査を申請する方針で、北陸電が審査で結論を覆す新たなデータを提示できるかが焦点になる。
断層は、1号機の直下を走る「S−1」(長さ780メートル)▽2号機の冷却用の海水を流す配管の直下にある「S−2」「S−6」(同計550メートル)の3本。
北陸電はいずれも「活動性はない」と主張していた。調査団は昨年7月、「活動性は否定できない」とする報告書案をまとめた後、別の専門家から意見を聞いていた。
http://mainichi.jp/articles/20160303/k00/00e/040/163000c