2015年の景気は「踊り場局面」とする企業が半数を超えるなど停滞感の漂う一年となったが、政府は
官民対話を通じて賃金の引き上げを要請している。そのため、雇用確保とともにベースアップや賞与
(一時金)の引き上げなど、賃金改善の動向はアベノミクスの行方を決定づける要素として注目されている。
2016年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は46.3%だった。前回調査(2015 年度見込み)を 2.0
ポイント下回り、リーマン・ショックで大幅減を記録した 2009年調査(2009年度見込み)以来7年ぶりの
減少となった。また、2015年度は3社に2社が賃金改善を実施している
賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が 73.8%で過去最高を記録した。また「同業他社の
賃金動向」の割合も過去最高を更新するなか、「自社の業績拡大」は3年連続で減少している。
改善しない理由は、「自社の業績低迷」が 61.5%で最多となる一方、「同業他社の賃金動向」
「人的投資の増強」は前年調査より 3 ポイント以上増加した。
http://www.zaikei.co.jp/article/20160221/294440.html