昨年末に1ドル120円台だったのが、11日の海外市場では一時110円台に。あれよあれよという
間の急激な円高に、中小メーカーからは「2012年の悪夢がよみがえる」(自動車関連会社関係者)
と悲鳴が上がっている。
帝国データバンクの調査によると、12年上半期は「円高倒産」が急増。08年のリーマン・ショック以降、
急激に進んだ円高による減収などで倒産した中小企業は50社、負債総額は718億円と、件数、
金額とも前年同期比で2倍以上に膨らんだ。そんな悪夢の再来か、と戦々恐々なのだ。
「業績の不透明感が強まり、大企業が守りに入れば、下請けの中小零細にお金が流れなくなる。
そのうえ、大企業の為替差損分まで値引き要請などで負わされる羽目になったら……中小零細は
死屍累々になりかねません」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)
大和証券シニア為替ストラテジストの石月幸雄氏は、「今後さらに円高が進む余地があり、1ドル
110円を割り込むと、政府・日銀による為替介入の可能性が高まる。円高阻止のためにも日銀は
3月の金融政策決定会合で何らかの手を打ってくるだろう」などと見立てるが、その政府・日銀が
アテにならない。リーマン・ショック以降の円高でも為替介入を実施したが、食い止められなかった。
円高倒産急増の悪夢が現実味を帯びてきている。
http://news.livedoor.com/article/detail/11179349/