ナウル、驚きの難民収容施設「開放」 取材に高い壁も…
■南十字星の下で
10月初め、太平洋の島国のひとつ、ナウルの政府が 驚くべき発表をした。
ナウル国内にある、 オーストラリア 政府のための難民収容施設をオープンなものにする。
施設内で暮らすボートピープルの人々に対して出入りを自由にし、現在収容されている約600人の難民認定 の審査を急ぐ。
つまり、収容施設に閉じ込められていた人々が、普通の暮らしを送れるようになるということだ。
この収容施設は、 オーストラリアが「 オフショア・プロセス」と呼ぶ、 難民認定審査のためのものだ。
密航船などで正式な手続きなしで入国しようとする人の流れを止めるため、 オーストラリア政府は厳しい措置を取っている。
ナウル政府に金を払って収容所を設置し、 「 オーストラリアを目指しても、ナウルの収容所へ送られるだけですよ」と伝えているのだ。
仮にナウルで 難民認定を受けても、 オーストラリアではなくナウルに定住するか、さらにカンボジアへ移送されることになる。
もともとは保守連合のハワード政権時代、 オーストラリアを目指した密航船が沈没し、多数が亡くなった事故が続き、強硬策として導入された。
オーストラリア 政府は最近、 シリアの難民危機で 「1万2千人を受け入れる」と発表している。
最初の難民グループは、 クリスマス前に到着する予定だという。
つまり、国連の正式な手続きを経て「玄関」から入ってくる難民には門戸を広げるが、「裏口」から入ろうとしても許しません、という姿勢を明確に示しているわけだ。
裏口用に設けられた オフショア ・プロセスについては、難民支援の団体などが「非人道的だ」として廃止を求めている。
http://www.asahi.com/articles/ASHB546M9HB5UHBI00Q.html