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一色氏の告発の内容は、藤沢市の件を陳情したM県議に県議会の自民党控室で50万円渡したというもので
『やりとりを教える。証言もできる』と言ってきた」
記者が裏取りに動くと、一色氏は県警にもM県議らとのやりとりを録音した数台の ICレコーダーを持ち
込んで同じ内容のタレコミをしていたことがわかった。が、捜査は動かなかった。
「県警の担当者は数十時間にもおよぶ録音の内容を調べたが、 証拠になりそうな会話がまったくない。
それで一色氏に『闇雲に録っても使えない。ちゃんと考えて録音しろ。この件では、カネを渡したあんたも
罪に問われるんだぞ』と説教したそうです。その後、うちの記者が再取材したときには、一色氏はやばい
と考えたのか、『カネを渡したのは私ではない。聞いた話だった』とタレコミを取り下げてきた」(同前)
本誌はM県議にこの件について話を聞いた。
「一色さんという人物とは古い知人の紹介で確か県庁で会った。そのときはダチョウ牧場をつくりたいと
いう相談でした。 記憶の限りでは献金は受けていないし、藤沢市の土地造成工事再開の話ではなかった」
そう否定したが、一色氏が当時から陳情相手とのやりとりを記録し、いざというときに告発する証拠にする
習慣を持っていたことがわかる。
このときの警察から、「ちゃんと考えて録音しろ」といわれたことが、今回の甘利大臣告発で活かされる。
※週刊ポスト2016年2月12日号