［１４日 ロイター］ - ロシア反ドーピング機関の元職員が１３日、世界反ドーピング機関（ＷＡＤＡ）はロシアの組織的ドーピングについて何年も前から知っていながら行動してこなかったと、カナダのテレビ局ＣＢＣに語った。
告発者であるビタリ・ステパノフ氏と元ランナーの妻ユリアさんは、ドイツのテレビ局にロシアのドーピングの証拠を提供した人物。ロシアの組織的ドーピングについては２０１０年からＷＡＤＡに秘密裏に報告していたものの相手にされず、ＷＡＤＡのあるメンバーから情報をメディアに渡した方がいいというアドバイスを受けたという。
ステパノフ氏はＣＢＣのインタビューで「ＷＡＤＡにも、この話が明るみに出ることを嫌がっている人がいるかのようで、失望した」と話した。ドイツのジャーナリストに情報を渡し、スキャンダルになってからようやくＷＡＤＡが動き出したと述べた。
２人が戦い始めたのは、ロシア反ドーピング機関が体裁を保つため、妻ユリアさんを捨て駒として使ったことがきっかけという。ＷＡＤＡにはすべての薬物とその入手経路、人物の名前を報告したという。
裏切り者として自国を追われたステパノフ夫婦は身を潜め、偽名を使いながら活動を続けている。
http://jp.reuters.com/article/wada-idJPKCN0UT09W