沖縄担当大臣などを務める自民党の島尻安伊子議員が、文科省傘下法人から補助金を受けた専門学校から300万円の寄付金を受けていたことがアイ・アジアの調べでわかった。この学校は島尻大臣の親族が経営しており、政治資金に詳しい専門家は、「実態として補助金が政治資金の原資になっている」と指摘。島尻大臣の側はアイ・アジアの取材に対して、「回答できない」と話している。
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島尻大臣に献金をしていたのは、浦添市にある専門学校運営会社「JSLインターナショナル」。2013年12月に300万円を島尻大臣が支部長を務める自民党沖縄県参議院選挙区第2支部に寄付していた。この学校は島尻大臣の夫が理事長を務め、留学生支援として文部科学省傘下の独立行政法人である「日本学生支援機構」から毎年、補助金を受けている。
政治資金規正法では、政治団体が国や自治体から補助金を受けている団体から寄付を受けることを禁止しているが、独立行政法人から補助金を受けている団体からの寄付は禁止してはいない。一方、後者の場合も補助金が事実上政治資金に投入されている点では前者と実質的には変わらないため、この寄付を問題視する指摘も出ている。
市民団体「政治資金オンブズマン」の共同代表で神戸学院大学の上脇博之教授は、「これを許容していては、親族が学校経営をしている議員は、補助金を受ける度に寄付を得られることになり、不当な特権になってしまう。学生のために補助金を受けた学校は法律が禁止していなくても寄付すべきではない。寄付ができるような学校はその分の補助金を受ける必要はないはずだ。これでは、“政治献金しているから補助金も得られ続けているのではないか“と国民に疑いをもたれてしまいかねない」と問題点を指摘している。
島尻大臣をめぐっては、貸付金として政治資金収支報告書に記載されていた1050万円が途中から記載されなくなっていて、虚偽の記載が行われていた疑いがあるとして市民団体から刑事告発されている。
アイ・アジアは、島尻議員の事務所にこの問題について質問状を送付したが、指定した日までに回答がなかった。そのため、回答の催促の電話をしたところ、「質問状が多数来ているため、一つ一つ回答できない」という返事があった。
ソース
島尻沖縄担当相にまたカネの問題 文科省傘下法人から補助金受けた専門学校が献金 理事長は夫の昇氏 (アジアプレス・ネットワーク) - Yahoo!ニュース
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