妊娠知らせるマタニティーマークはつけたくない 世間の冷たい対応…「幸せ自慢するの?」
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妊娠中の女性が身につけているマタニティーマーク。
厚生労働省が平成18年に制定してから、まもなく丸10年を迎える。
妊婦への配慮を呼びかけることなどを目的に作られたものだが、最近では「マークを付けたくない」という妊婦の声が挙がっている。
認知度が十分でないほか、マークを付けることによって「冷たい対応をされた」などの声もあり、今後の課題が指摘されている。(中井なつみ)
■妊婦に気付いて
赤ちゃんと女性が寄り添うようにデザインされた「マタニティーマーク」は、厚労省が公募によって制定した。
妊娠すると、まだおなかの目立たない時期ほど重いつわりに悩むケースが多い。
そのため周囲に妊娠中であることを知ってもらい、優先座席を譲るなどの配慮を呼びかけるねらいがある。
■「付けない」3割
マークを付けていることで「席を譲ってもらった」「『気を付けてね』と声をかけてもらった」などとプラス の効果がある一方、最近では「マークを付けたくない」という妊婦の声が多くなっている。
東京都中野区の主婦(29)は、「マタニティーマークを付けていると、かえって肩身が狭い気分になった」と話す。
女性は長男(2)を妊娠中、知人がインターネットに「マークは幸せ自慢だ」と書き込んでいるのを見て以来、「押しつけがましいのかも」と悩み、バッグからマークを外した。
子育て情報を発信するサイトを運営するミキハウス子育て総研(大阪市北区)が昨年12月にインターネット上で行った調査(有効回答数482)でも、妊娠中にマタニティーマークを付けなかったと答えた人は、3割を超えた。
その理由として、「付けていると、わざと押されるなどひどい目に遭うと聞いた」「押しつけがましいと感じるか ら」などの声や、「不妊治療をしている人など、マークを見て辛い思いをする人もいる」との反応があった。
このほかにも、マークを付けているときに年配の男性から「妊婦は偉いのか」と言われた人や、マークを付けて 行った遊園地で「妊婦は来るな」と言われた人も。
妊娠中、周囲から冷たい反応を受けた人は少なくなかった。