日本語は世界で唯一“植民化”されなかった言語 国際人たる前に「立派な日本人」であれ
米国の国際政治学者・サミュエル・ハンチントンは名著「文明の衝突と世界秩序の再創造」の中で、
国民国家の視点ではなく文明に着目し、世界秩序を分析しました。
前世紀末における世界の文明圏を8つ上げ、その一つとして、
日本文明を「一国で成立する、主観的な自己認識を持つ孤立文明」と取り上げております。
ほかにも、フィリップ・バグビーの世界九大文明論にも、マシュー・メルコの五大文明論にも、日本文明が列挙されています。
いずれにしても、日本文明は、他文明とは共通するものが少なく、極めて独自性の高い特殊な民族文化に由来するものであると定義されています。
その根源的なるものはと言えば、「日本語の特殊性」にあると考えられます。
日本の文化力が、なぜ世界中で図抜けているかと問われれば、
「人類史を通じて、日本語が唯一、植民化されなかった言語であり、そこに独自の客観的世界観が凝縮されているから」と答えられるでしょう。
いま世界で一番普及している言語は英語ですが、それは七つの海を支配した大英帝国が植民地化してきた地域が60数カ国・地域にも及んだからです。
同様に、スペイン語やポルトガル語が中南米を席巻し、英語同様、フランス語も植民地化されたアジア、アフリカへ、
そしてロシア語もソ連体制下の東欧や中央アジアに広がりました。
しかしながらわが日本だけは、中世は元寇の役をしのぎ、幕末の英(朝廷側)と仏(幕府側)両国の植民地化狙いを退け、
内輪揉めは自らの手で“維新”したことで、中国語・モンゴル語や英仏語による置き換えを逃れてきました。
戦後のアメリカ占領下でも、ヘボン式ローマ字化を通じた英語への誘導にも乗せられず、
(換言すれば、識字率の高さと日本語教養力の高度成熟度が壁となって)文化大国としての日本が二千年来の母語を維持継続できたわけです。
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http://www.sankei.com/west/news/151224/wst1512240009-n1.html