そんなショボイ戦車も当時はこの様に思われていたんだなぁ
鉄板の鎧に身を固め、長い列を作って転がってくる機械。
その毛虫のような姿。
人間を押しつぶし、傷つくことのない鋼鉄のけだもの。
僕らはこの戦車を見ると、自分の薄い皮膚の中に小さく縮こまるような気持ちになった。
その驚くべき重さの前には、僕らの腕は藁のようにか弱いものだ。
手榴弾は、マッチぐらいだ。
この戦車と言うヤツは、何よりも戦争の恐ろしさそのものに見えた。
従軍したドイツ人作家レマルク