あの頃小さかった人たちへ ノッポさんからメッセー ジ
【動画】エムスタ 高見のっぽさん=瀬戸口翼撮影
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NHKの子ども番組「できるかな」(1970~90 年)でおなじみの高見のっぽさん(81)。
「ノッポさ ん」として、30代から50代にかけて出演しました。
充実した仕事の一方で、葛藤もあったそうです。
ノッポ さんを見て育った子育て世代へのメッセージは。
「工作や絵は苦手です。小さいときから」。
4歳の頃、模型飛行機を作ろうと竹ひごを曲げていたがうまくできず、失敗した竹ひごが山積みになった。
母親が「あんたみたいなぶきっちょな人は見たことないわ」と笑った。
「この一言で、手先の器用さに対する希望を全て失ったんです」
だから「親は我が子の弱点をけなさず、優れた点だけほめて。母は一言多かった」と言う。
一方、父親はどんな時も「たまたま運の悪い所にいるだけで、この子がダメなわけではない」と疑わなかった。
「死ぬまで私を買いかぶっていました。おやじのそばにいると私は安心で したよ」
■「失敗するのが怖くて」
芸人だった父親のカバン持ちを、高校生から始めた。
映画で見たダンサーに憧れ、17歳ごろタップダンスを習い始める。
テレビの仕事に足を踏み入れたが、番組が 翌年も続くのか心配で「12月はいつも不幸せだった」。
もうやめようとしたとき、「ノッポさん」の仕事が舞い込んだ。
「できるかな」で帽子姿のノッポさんは、セリフなしで相棒のゴン太くんに工作を作る。
苦手な工作だが「一生懸命やるしかない」。
紙にテープを貼っても、すぐはがれてしまうことも。だからこそ、できたときは本当に喜んだ。
不得意な絵を描いていたのは「好きな音楽にのったから」。
人気者になり、ノッポさん以外の仕事を断り続けた時期もあった。
「失敗するのが怖くて」。個人の自分には何があ るのか。今後どうしよう。
40歳を過ぎて、「今までの自分には何もないと認めよう」と、絵本や番組の台本など新たな分野の仕事に挑戦した。
「できるかな」が終了しても、この帽子をかぶると大人が歓声をあげる。「幼い頃に戻るんじゃないかな」
■大人ぶっていませんか
子どものことを「小さい人」と呼ぶ。自分が一番賢くて鋭くてきれいなときはいつかと考えると、5歳。
大人が「子どもだからわからないだろう」と侮った言動は、ちゃんと見透かしていた。
「そのつもりで小さい人と接するから、真剣です。あんな大人にはなりたくもない」
「子ども目線」という言葉も大嫌いだ。
「訳知り顔で『子どもの目線に下がって』なんて、あほらしい」。
「小さいときを忘れ、大人ぶって上から言っていませんか。そんな時は命令でなく相談してごらんなさい。小さい人は、とんでもなく賢いんですよ」
http://www.asahi.com/articles/ASHCW5GZ2HCWUEHF00R.html