鶴岡のおじさん、姿現さず寄付41年 最後に児童と交流
山形県鶴岡市立羽黒第四小学校に41年間にわたり、毎月、図書費を匿名で送り 続けてきた男性がいる。
その寄付で購入した図書は1400冊超。
児童らは「鶴岡のおじさん」と呼んで毎年、見知らぬ男性に感謝する祭りを開いてきた。
だが、児童数24人の同校は来春、閉校することに。
4日にあった最後の祭りに、本人がついに参加した。
男性は、 鶴岡市出身で仙台市に住む金野昭治さん(68)。
ランチルームで行われた「おじさん祭り」で、白髪に柔和な笑みを浮かべて児童と向き合った。
「私は子どもの頃、環境に恵まれず、地域の恩を受けた。その恩返しのつもりで続けてきました」。
子どもたちは、41年分の「ありがとう」の思いを込めた手紙をプレゼント。
代表してあいさつした冨樫直希君(4年)は「おじさんとの思い出を大切にしていきます」と感謝した。
寄付の始まりは1974年4月12日。
学校に届いた封筒の裏には「 鶴岡市 」とだけあった。
手紙には「社会から受けた温かい恩に少しでも報いたい。図書費に使って下さい」と書かれ、2千円が同封されていた。
以降、金額は途中から5千円に変わり、消印も仙台市となったが、封書は 毎月届いた。
自らを「おじさん」と称し、ほぼ毎回、「釣り、スキーが趣味です」「学校の近くを通りかかりますが、『遠くから見つめる』と誓っています」などの言葉を添えていた。
児童は毎年「おじさん祭り」を開き、想像して似顔絵を描き、思いをつづってきた。
「私が本好きなのはおじさんのおかげ」と佐藤柚子香さん(5年)。
寄付の総額は約220万円。
「おじさん文庫」は1400冊を超えた。
だが 地域の少子化が進み、同校が隣の小学校と統合され、閉校することが決まった。
すると今年3月、思いがけず「おじさん」から校長宛てに手紙がきた。
故郷の友人から閉校の話を聞いたという。
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「鶴岡のおじさん」と呼ばれてきた金野昭治さんを「おじさん文庫」に案内する
山形県鶴岡市立羽黒第四小学校の児童=鶴岡市羽黒町上野新田
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「おじさん」からの手紙。学校で毎年、大切に保存されてきた
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羽黒四小の児童たちは、年に1度の「おじさん祭り」のたびに、おじさんの顔を想像して描き、
思いをつづってきた=2013年11月、山形県鶴岡市立羽黒第四小学校、同校提供
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http://www.asahi.com/articles/ASHD244R2HD2UZHB00M.html