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豊洲新市場の開場は来年11月7日――日本中の魚介類が集まる築地市場の移設まで1年を切ったが、「現場の声」は歓迎ムードからは程遠い。東京・中央区の築地市場で働く仲卸業者が25日、区内の築地市場厚生会館で「よりよい市場を築くつどい」を開催。約150人が集まり、新市場への不安を打ち明けた。
会合では、新市場について「開場時期」「物流及び店舗設備」「交通アクセス」「安全対策」の4点について意見が飛び交った。
「繁忙期の年末を目前にした11月に開場する理由は何なのか。引っ越しで手が回らず、マトモに商売できるとは思えない」
「新市場内の物流導線にはまだまだ不安が多い」
「公共交通機関では、ゆりかもめを使う以外、新市場へのアクセス法がない」
「土壌汚染対策はどうなったんだ」
熱を帯びる参加者の声に司会者は、「集まった意見は全て東京都に提出する」と断言。すると今度は、都に対する不満の声が次々と上がった。
「都に相談しても、マトモに話を聞いてもらえない」
「舛添都知事は一体何を根拠に開場時期を決めたんだ」
「都は五輪の開催に間に合わせるためと言うが、私たちには五輪は関係ない」
参加者が発言するたびに「その通り!」と賛同の声が上がり、会場は市場で行われる“せり”さながらの熱気に包まれていた。会合の発起人を務める関戸富雄氏はこう言う。
「都は現場の事情を理解しているとは思えません。何を聞いても『決まったことだから』と、マトモに説明してくれません。せめて、決定に至る経緯だけでも明らかにしてほしいです。来年1月には、さらに大規模な会合を開催するつもりです」
移転にかかる事業費は約5900億円にも上る。“ゴリ押し”は到底、許されない。