2020年東京五輪でサーフィンの追加種目入りが濃厚だ。正式決定は来年8月の国際オリンピック委員会(IOC)総会だが、会場の誘致合戦が早くも熱を帯びてきた。東京から近く愛好者が集う千葉、神奈川両県はじめ、地方からも名乗りを上げる自治体が相次ぐ。ビッグウエーブをつかむのは-。
「外房の波は高く、サーフィンにぴったり」。九日、千葉県の森田健作知事は面会に訪れた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長に、あいさつもそこそこに、サーフィンの県内開催をアピールした。九十九里浜を中心とする外房地域は常にダイナミックな波が入り、国内のトップ選手も日々練習する。
森会長の訪問目的は主に幕張メッセ(千葉市)でのフェンシング、テコンドー、レスリング実施の協力要請だった。千葉はパラリンピックでも四競技の開催が決定。森会長は「君の話を聞いていたら、東京・チバリンピックになるじゃないか」と冗談交じりで応じつつ、「神奈川県も手を挙げている」と話した。
神奈川県の湘南地域は東京から最も近く、首都圏の愛好者が集まる。黒岩祐治知事は「(誘致は)本気だ。せっかく五輪でやるなら、皆さんの憧れの場所の湘南で行われるのが素晴らしい」と、森田知事に負けない熱の入りようだ。
■地方からも名乗り
誘致の波は首都圏以外からも押し寄せる。宮崎県は、全国に先駆けて十月に大会組織委員会に要望書を提出。河野俊嗣知事は「全国有数の恵まれた波が来る良好なサーフポイント。世界的なプロの大会も行われ、蓄積もある」とPR。
東日本大震災の被災地・福島県南相馬市も「世界中に復興をアピールできる」(桜井勝延市長)と開催意欲を示す。静岡県の下田、牧之原市、愛知県田原市などもそれぞれ、世界大会や全国規模の大会開催の実績などを掲げ、誘致に前向きな姿勢をみせる。
これらの自治体はサーフィンでの町おこしに取り組む「サーフィンの東京五輪正式種目を応援する首長連合」(全国三十二市区町村、事務局・千葉県一宮町)のメンバー。全国各地の海岸を清掃する「一万人のビーチクリーン」を行うなど、五輪の追加種目入りに向けて機運を高めてきた。
目的達成がほぼ確実となった今後も、サーフィンを盛り上げるため協力は続くが、水面下では開催地獲得競争が激化しそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2015112399070053.jpg
ソース
東京新聞:五輪サーフィン誘致合戦 波の外房、近さの湘南 南相馬も意欲:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015112390070053.html