本当に世界の人は日本のポップカルチャーに夢中なのか? 政府の「クールジャパン戦略」はこれだけズレている! | COURRiER Japon NEWS
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クールジャパン戦略がうまく受け入れられている国が一つある──日本だ。毎日新聞は2月末の記事で、「日本称賛ブーム」を取り上げた。それによると、4年前の東日本大震災以降、日本がいかに素晴らしい国であるかを称える報道や番組が歓迎されるようになったという。
『所さんのニッポンの出番』や『世界が驚いたニッポン! スゴ?イデスネ!! 視察団』といった番組では、訪日した外国人に「日本がいかにクールか」を語らせて、必ず日本語の吹き替えが入る。NHKの“クールジャパン万歳”番組(他国にはめったにない類の番組だ)は、何ということもない話題を、日本が誇るべき功績だとして必死に持ち上げる。旅番組も外国を紹介しているのかと思いきや、最後は日本が外国でどう見られているかという話になる。
もちろん、日本のポップカルチャーは間違いなく今も世界で多くの若い観客を魅了している。今年2月、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した『ベイマックス』の舞台は、未来の架空都市「サンフランソウキョウ」。日本の文化や風景のさまざまなイメージが描かれる。
ただし、日本がこれまで以上にソフトパワーを世界に広めたければ──数十億ドルの予算を無駄にしたくなければ──クールジャパン戦略は、海外の市場で何が求められているかについて、もっと視野を広げて考えなければならない。クールだという触れ込みで売り出すものに、世界の消費者が無条件で飛びつくわけではない。何かをクールだと紹介すれば、その瞬間にクールではなくなるのだから。