スーパーのレイアウト変更はやめたほうがいい?客の流れが反時計回りだと損する?
消費者がスーパーで行う買い物の7割は、来店前に計画されたものではなく、店内で決定されています。したがって、店舗環境がその決定に与える影響は大きく、買い物客がそれをどう捉えているかを知ることは小売業者にとって重要です。
そうした買い物客の知識のひとつに、メンタルマップがあります。買い物客が頭の中で描く地図のことです。認知マップとも呼ばれます。
誰でも、自分がよく利用するスーパーについては、どの製品カテゴリーが店内のどこにどれぐらい置かれているかなど、だいたいのレイアウトを地図のように記憶しているでしょう。これがメンタルマップです。
また、グロエペル=クレインとバートマンは、買い物客の移動を時計回りに誘導するレイアウトと反時計回りに誘導するレイアウトを持つ2つの日用雑貨店を比較し、前者のレイアウトのほうがより詳細で正確なメンタルマップが形成されること、特定の方向への向きやすさやバリューフォーマネーについての買い物客の評価が高いこと、買い物客の支出がより多くなる傾向にあること、および特定の製品を効率的よく見つけられる買い物客が多いことを明らかにしています。
しかし、この研究の説明によると、右利きの人が反時計回りに移動すると、右側(壁側)の陳列ばかりに注意が行きやすくなるのに対し、時計回りに移動すると右側(店の内側)だけでなく左側(壁側)も見るので、より多くの商品に注意が行きやすくなるのです。
●レイアウト変更の罠
スーパーは、商品の陳列場所を移動するという「レイアウト変更」をときどき行っています。
普段から買い物している店舗のレイアウトが変更になったところで、新鮮さや新奇性が感じられることはほとんどありません。
アメリカでも、買い物客に「買い物でイライラさせられることは何か」と尋ねると、決まって「店内の商品の場所が変わること」という答えが返ってくるそうです。
いつものメンタルマップが使えれば精神的にも余裕があるので、周辺の商品にも目を向けやすくなり、より多くの商品を買うといったことが起きてきますが、レイアウト変更はそうした機会を減らしてしまうのです。
http://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_174551/