地元海女「うれしい」 碧志摩メグ公認撤回
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20151106/CK2015110602000017.html
志摩市公認の海女キャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」をめぐって市内の海女らが公認撤回を求めていた問題は、市が五日に公認撤回を受け入れたことで決着した。
撤回を求めていた海女からは「撤回は当然のことだがうれしい」と喜びの声が聞かれた。
キャラクターはポスターやパネルとして市や海女のPRに活用されたほか、五月には無料通信アプリ「ライン」のスタンプも販売開始。
既にダウンロード数は一万件以上に上った。碧志摩メグの“親友”という設定の伊賀流忍者の萌(も)えキャラ「伊賀嵐マイ」も誕生し、盛り上がりを見せていた。
こうした取り組みに地元海女から「待った」の声が上がった。八月に「海女を侮辱している」として公認撤回を求める署名が市に提出されると、
インターネットなどで問題が広がり、市やキャラクターを考案したモータースポーツ運営会社の浜口喜博さん(39)らは対応に追われた。
署名を集めた同市志摩町片田の海女山本文子さん(66)は「初めて見た時は海女をばかにしていると感じた」と指摘。
一緒に漁をしている夫の泰稔さん(68)も「かわいいという人もいるが、海女のイメージとかけ離れ、市が公認したことに憤りを感じる」と批判する。
伊勢志摩地域の海女は高齢化と担い手不足が深刻で、山本さんらは「海女は誰でもできる職業ではない。このキャラクターでは海女をしようという人は増えない」と話す。
一方、市は海外での日本アニメの人気を背景に、伊勢志摩サミットに向けて外国語表記のキャラクターとして活用を構想していた。
大口秀和市長は「漁業政策においても齟齬(そご)をきたすのではという懸念があり、苦渋の選択をした」と語る。
今後、浜口さんは民間の立場で伊勢志摩地域の活性化に向けて碧志摩メグを展開していく考えで「いろんな形で伊勢志摩地域に貢献できる手段を提案したい」と話した。