「もう無理、耐えきれない。救急車を呼んでくれ」──顔面蒼白になった男性(62)は、小さな声で妻に告げた。下っ腹の奥を刺すような強い痛みが断続的に襲ってくる。目も開けられず、ソファに前屈みになったまま動けない。前夜に3回もトイレに行ったが、便は出なかった。全身から噴き出る脂汗で、パジャマがぐっしょり濡れた。
救急搬送された病院で、男性は浣腸を4回受けたが、痛みは消えない。X線撮影した結果、担当医はいった。
「バリウムが固まって大腸を圧迫し、孔が開いてしまいました。すぐに緊急手術が必要です」
男性は前日に自治体の胃がん検診でバリウムを飲んでいたのだ──。
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_361078/
放射線技師:私どもは日本対がん協会の福島支部でして、いろんな勉強会、研究会をやっていますが、(翌日に緊急手術の例は)聞いたことがありません。
日本対がん協会といえば、国内最大の検診グループであり、バリウム検査を重要な収入源としている。「検診ムラ」の中心的な存在だ。
医薬品の副作用情報を収集するPMDA(独立行政法人・医薬品医療機器総合機構)に報告されたデータを独自に集計したところ、2014年度の一年間だけで、バリウム製剤で大腸などに孔が開いた「穿孔(せんこう)」は68例もあった。
----------------------------------------------------------------------------------------
バリウム苦手