イオン(千葉市)やユニー(愛知県稲沢市)など総合スーパーの業績が低迷する中、独自の低価格食品で勝負する
神戸物産(兵庫県稲美町)の「業務スーパー」が好調だ。飲食店などプロに向けた業務用食品を提供する
スーパーとして平成12年に1号店を兵庫県三木市にオープンして以来、品質と安さが一般客にも人気を呼び
店舗数は急拡大。今年8月末時点で全国705店舗を擁するまでに成長した。
順調な新規出店を追い風に、同社の10月期連結決算業績予想では、売上高2280億円、純利益50億円と
いずれも過去最高を記録する見込み。総合スーパーに加え、米国生まれの大型倉庫型店舗「コストコ」や
激安を売りにした「スーパー玉出」(大阪市西成区)
など競合店がひしめく中、順調に業績を伸ばし続ける秘密とは-。(荒木利宏)
量は多く、値段は安く
9月のある日の午後5時過ぎ。「業務スーパーフレッシュ稲美店」(兵庫県稲美町)は、夕食の食材などを求める
買い物客でにぎわいを見せていた。買い物かごをカートにのせて行き交う人々の様子を見ていて目につくのは、まとめ買いの多さだった。
冷凍鶏肉(2キロ)を買い求めていた同町の会社員、高橋壮多さん(30)は「少し多めに商品を買っても、
近所のスーパーで購入するより安い。買いだめが必要な時はよく足を運びます」と話す。
陳列棚に目を向けると、讃岐うどん(200グラム)5袋入が127円、本醸造しょうゆ(1・8リットル)が
197円、レトルトの大盛りカレー甘口5袋入りが265円(いずれも税別、取材時点)などが並ぶ。
いずれも量が多く、値段が手ごろな商品ばかりだ。
棚の横には、ペットボトルや缶詰などの商品が収納された段ボールが4、5箱積み上げられ、開封された一番上の
段ボールの側面には値札がつけられている。店内にはこのように商品が入った段ボールがあちらこちらに見られる。
雑然とした印象を与えかねないが、ここに低価格を維持する工夫の一つが隠されていた。
http://www.sankei.com/west/news/151023/wst1510230006-n1.html