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続き
通報現場となった道は、夜になると人通りはほとんどなくなり、周囲の商業施設なども深夜は明かりが消える。
「暗がりだし、女装で歩いてみたい」
男はこう思ったという。そして、車を路上に止め、女装したまま車を降りて歩き出した。
男は170センチ以上あり、プロスポーツ選手らしいがっちりした体形をしているという。
だが、それが裏目に出て、その姿を見た通行人の男性が女装した姿を不審に思い、間もなく110番通報されてしまう。
男は見つかったことに気付き、さらに、サイレンやランプで、パトカーが近づいてくることを悟った。
警察が自分を探している-。
駐車していた車も警察に見つかり、焦った男はとっさに、近くのアパートの軒下に干してあった作業着を取った。
そして、その場に自身の女装を脱ぎ捨て、盗んだ作業着を着て車に戻ったとされる。
男はこのとき、ジャージーのズボンをはいていたといい、県警は、 これも盗んだものである可能性があるとみて捜査している。
外見上は「普通の男の姿」に戻っていたわけだが、人通りが少ない場所に車を止め、付近を歩いていたことを不審に思った警察官は職務質問を重ね、結局、男は犯行を自ら明らかにすることとなった。
逮捕時には、プロゴルファーであることを示す、日本プロゴルフ協会の会員証を持っていたという。
男は窃盗の動機について、「女装した自分を探している警察から逃れるためだった」と供述した。
ただ、捜査関係者によると、趣味の女装を取り締まるような法律はなく、「作業着を盗まなければ逮捕されることはなかっただろう」という。
冷静な判断が常に求められるプロゴルファーらしくない、“OB”のような的外れな犯行だったのかもしれない。