自殺行為分析に異議、遺族側が意見書提出 天童のいじめ報告書
天童市の中学1年の女子生徒が学校でいじめを受けて自殺した問題で、女子生徒の遺族は19日、第三者委員会がまとめた調査報告書に対する意見書を市教育委員会に提出した。
いじめの実態や自殺の原因などの事実認定を受け入れる一方、女子生徒が内面に「攻撃性」「破壊性」を持つと推測して自殺行為を分析した箇所に異議を示し、再発防止に向けた教育の実践も求めた。
遺族代理人が同日、市教委に届けた。意見書では、女子生徒がクラスと部活でいじめに遭い自殺の原因になったこと、担任や顧問、学校が対応を怠ったことに関し、「これらの事実を受け入れたい」とした。
一方、女子生徒がノートに記した小説の内容や表現方法を基に、内面に「破壊性」「攻撃性」を保持していたとする分析に関し、「推測には無理がある」と指摘。
こうした内面性と列車にひかれるという自殺手段の関連付けを否定し、「内面はいじめによる絶望がすべて」と強調した。
報告書で、いじめから回避する方法として、当時はまだ一般的な推奨がなかった部活の退部、不登校などを挙げた上で、
「『こうあらねばならない』と決めるとなかなか方向転換でない性質」と女子生徒を考察して行動を分析したことについても「いじめに遭いながら、これに対処した（女子生徒の）努力を冒涜（ぼうとく）する」と非難した。
再発防止の記載に関しては「教育の内容、方法について突っ込み不足」として、効果的な対策を強く求めた。
市長には「市が学校と教諭の落ち度をどう考え、責任を取るのか文書で明らかにしてほしい」と要望した。
今回の意見書は報告書と合わせ、20日に市教委から山本信治市長に手渡される。
http://yamagata-np.jp/news/201510/20/kj_2015102000426.php