独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排気ガス不正問題が、プラチナ相場に影響を与えている。
プラチナ相場は2015年に入って、金相場につれて下げ基調にある。世界的な景気の後退感が要因だが、
そこにVWの不正問題が追い討ちをかけた。リーマン・ショック後の2009年2月以来の安値圏で推移している。
VWの排気ガス不正問題によってプラチナの価格が下がる理由は、プラチナがディーゼル車の排気ガスを
浄化する触媒として使われているからだ。プラチナというと、結婚指輪などの宝飾品に使われているイメージ
が強いが、じつは産業用に多く利用されている。世界のプラチナ需要をみると、2014年は41.2%が自動車
触媒用で、宝飾品用はそれより少ない35.3%だった。
VWの不正問題をきっかけに、ディーゼル車のイメージが後退。消費者の「ディーゼル車離れ」が広がり、
ディーゼル車からガソリン車、あるいはハイブリッド車などへのシフトが世界的に加速する可能性が高まって
いる。それにより、ディーゼル車の排気ガス用触媒としてのプラチナ需要が減退する懸念があり、それが
売り材料になっているというわけだ。
http://www.j-cast.com/2015/10/16248142.html
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