タイの刑事裁判所は12日、海外逃亡中のタクシン元首相に対し、陸軍の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)容疑で逮捕状を出した。陸軍は関係部署にタクシン氏を拘束する方法を検討するよう指示した。
陸軍や地元報道によると、タクシン氏は今年5月下旬、外国メディアのインタビューでクーデターを決行した陸軍を「国家に有害な汚らわしい組織」などと非難。これが刑法の名誉毀損にあたると陸軍は主張し、5月26日に訴えていた。この時期はクーデター1周年にあたり、タクシン氏は活発にメディアに登場していた。
タクシン氏は首相在任中の2006年にクーデターで失脚。その後、土地不正取引で有罪判決を受けるが、収監されるのを避けるために08年に出国し、以来国外逃亡生活を続けている。同氏に対してはほかにも、10年のバンコク騒乱事件や経済事件にからむ容疑で逮捕状が出ている。(バンコク=大野良祐)
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