ブラジル・リオデジャネイロ(CNN) ブラジルでカーナビアプリの「ウェイズ」を頼りに観光地に向かおうとした夫婦が、スラム街にある同名の通りに迷い込み、妻が殺害される事件が起きた。
今回の事件で、五輪の開催を来年に控えたリオデジャネイロの治安面の不安や、観光地と隣り合わせに危険地帯が存在する場所でカーナビアプリを使うことの危険性が浮き彫りになった。
ブラジルの警察によると、レジナ・マームラさん(70)と夫のフランシスコさん(69)は3日、ウェイズの道案内で車を運転してリオデジャネイロの対岸にある観光地のニテロイを目指した。
ところがたどり着いたのは、治安の悪さで有名なスラム街にあるニテロイという名の路地だった。2人の車には20発もの弾丸が撃ち込まれ、レジナさんが死亡。フランシスコさんの運転で車は現場を脱出し、フランシスコさんは無事だった。
車が銃撃された理由は不明。ただ、この地域では麻薬密売組織の活動が横行しているという。
ウェイズはイスラエルで開発されたアプリで、現在は米グーグルの傘下にある。今回の事件については「残念ながら、目的地として選択されれば危険な地域への誘導も防止できない」と話している。
リオだけでも人口のほぼ5人に1人に当たる約140万人がスラム街に暮らす。警察も防犯対策を強化しているものの、多くの地域は依然として麻薬組織の支配下にある。ウェイズは市の当局者と会って対応を協議する予定。
ニテロイを巡っては2カ月前にもブラジルの女優がカーナビの案内でスラム街に迷い込み、銃撃される事件が起きていた。命は助かった。
http://www.cnn.co.jp/world/35071519.html