大阪都構想の投開票日(5月17日)の記者会見においても、私は橋下氏にこんな質問をした。
「橋下市長が政界引退をするのは無責任ではないか。まだ残っている重大な課題がある。一つが原発再稼動反対で、あの時(野田政権の時)は大阪府民や市民を守るということで拍手喝さいを受けた」。「今までは大阪都構想実現のために、安倍首相や菅官房長官に遠慮をして支持を引き出そうとして政権批判を抑えていたのではないかと思うが、残り半年で安倍政権批判をするのか。再稼動について原点に戻ってはっきり言う考えはないのか」。
私のこの質問に対し、橋下氏はこう答えた。
「今は僕は大阪市長でありますから、一種の特別職でありますけれども、公務員ですね、全体の奉仕者ですね。まあ政治家ということであれば、選挙で選ばれたものでありますけれども、でも国民の奴隷ではありません。ですから、これからは自分の人生をしっかりと歩んで行きたいと思います」。
質問と回答を御覧になってもらえれば、わかる通り、橋下氏は、話をはぐらかし、質問に答えていない。原点の原発再稼働についてはまったく答えないし、安倍政権と対峙するのか否かについても、回答していない。「『国民の奴隷』ではない」という、質問とは直接関係のないセリフが返ってきたのみである。