【ジャカルタ平野光芳】日本と中国が受注を競ってきたインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画で、インドネシア政府は29日、
中国案を採用する方針を日本側に伝えた。海外輸出の実績作りのためになりふり構わぬ売り込みを貫いた中国と、
インフラ整備で外資に依存せざるを得ないインドネシア側の事情が一致し、日本の新幹線案は撤退を余儀なくされた形だ。
ただ中国案にも課題は山積し、予定通りに実現するかは不透明だ。
◇「日本のコピー」
「ルートも駅の位置も全部同じで、違うのは金額の見積もりだけ。これは明らかに先行する日本案のコピーだ」。
中国が8月に提出した案を見たインドネシア運輸省の幹部は、毎日新聞の取材にこう証言した。
日本、インドネシア両政府は数年前から協力してジャカルタ-バンドン間(直線で約120キロ)での高速鉄道導入に向け、
需要予測や地質調査など綿密な調査を実施していた。ところがこの幹部によると調査結果が「親中派」の関係者を通じて中国側に流出したという。
実際、今年3月に中国が突然参入を表明してから、提案書提出までわずか5カ月。中国側が詳細なボーリング調査などを実施した形跡もない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150930-00000127-mai-asia