中国「反スパイ法」次々、過敏になる習政権 日本人拘束
金順姫
2015年9月30日08時44分
中国で日本人男性2人がスパイ行為にかかわった疑いで拘束されたことが明らかになった。当局は国外退去などで済まさず、拘束期間は数カ月に及ぶ。中国政府は日本人に限らず、外国人の中国での行動に警戒を強めており、昨年に反スパイ法が、今年には新たな国家安全法も施行された。一貫しているのは「海外勢力の浸透」を防ぎたいという強い警戒感だ。
中国で日本人2人拘束 5月から、「スパイ行為」容疑
最近では、米国人女性実業家が3月から、国家の安全に危害を及ぼした疑いで拘束されていることが判明した。北京の外交筋は「外国人の行動についても、より厳しく管理するとの姿勢は明確だ」と指摘する。
海外の勢力、海外の資金、海外の思想――。海外の影響が自らの体制を揺るがすことに、習近平(シーチンピン)指導部は極度に神経をとがらせている模様だ。
そうした中で制定されたのが、反スパイ法だ。具体的なスパイ行為を定義し、国内の組織や市民を広く動員してスパイ活動を防ぐ狙いだ。スパイ行為の定義の中には「その他のスパイ活動」というあいまいな項目もあり、海外の組織やそれと関係する中国人ら幅広い対象に対し、恣意(しい)的に取り締まりが行われる懸念を持たれている。
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