スズキ VW株すべて売却
◆排ガス問題で半減 売却益367億円
スズキは二十六日、保有するドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)株を手放し、すべてVWの親会社へ売ると発表した。八月末に発表したVWとの資本・業務提携解消に沿った判断で、売却益は約三百六十七億円になる。VW株が排ガス不正問題で値下がりした影響から売却益は大きく目減りした。
親会社でドイツの「ポルシェ・オートモービル・ホールディング」と二十五日付で売買契約を結んだ。両社の契約により売却額自体は明らかにしていない。受け渡し日は三十日の予定。スズキは、VW株の発行済み株式の1・49%となる四百三十九万七千株を持っていた。
提携解消時の株価水準であれば、売却額は一千億円前後、売却益も七百億円近くになる見込みだった。売却益は確保するものの、半減近いとみられる。売却益は一五年四~九月期決算で特別利益に計上する。
スズキの鈴木修会長は二十六日夜、中日新聞の取材に「これからVWの株価が上がるか、下がるかは分からない。提携解消して自社株も戻ってきたので、きれいさっぱりしたかった」と述べた。
スズキはVWとの提携後間もなく、経営戦略の違いが表面化。環境技術の提供がないことなどを理由に提携解消を決め、一一年十一月に国際仲裁機関へ仲裁を申し立てた。八月末に提携解消を認める仲裁判断があり、スズキは今月十七日に、VWから自社株の19・9%分を買い戻した。
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20150927/CK2015092702000097.html